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「もうー、莉乃トイレ長くない?大なの?」
教室に戻ると三花が大きな声で言った。
「ちょっ…違うから!そういうこと大きな声で言うのやめてよ」
三花の発言で一瞬クラスの視線を集めた気がした。
「あはは」
三花はケラケラと笑っている。
スタイルも良くて美人な三花は、男子からモテる。
けれど、そういうことを鼻にかける様子もなく、冗談も言える気さくな性格だから女子の友達も多い。
「もう…」
“早く早く”と手招きしている三花のもとに行くと、早速報告があった。
「見てきたよ!ちょうど職員室から出てきたところだったんだけど。見たことのない人だったから、多分あの人がそうだと思うんだよね」
「どうだったの?」
興奮気味に話す三花に先を促す。
三花の反応からするに、多分そこそこはイケメンなんだろうと思われる。
「それが、若い男の人でね」
「うん」
三花は指で○を形作った。
「うん?」
「イケメンだったよ!」
久し振りに見る三花の満面の笑みだった。
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