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私が小学五年生の頃。私が昔住んでいた場所は広島県の北部、島根と広島の堺にある山奥でした。
夏は涼しいですが、冬は2メートルの雪が降るのが普通という寒さの厳しい土地です。
そんな土地の雪が降っている朝、彼を見たのです。
私が初めて見た、人成らざる者でした。
――――――――…
この話の主人公、桜木 明日華は学校までスクールバスで向かう。
明日華は必ず一番最初にバスに乗る。その為、六年生が乗るまでは、明日華が乗ってくる生徒達の人数を確認する。ちなみに、この地域での五年生は、明日華だけだった。
「はーい。そろそろ出発するよー。おーい、そこの雪合戦してる奴ら、早く乗れー」
明日華が声掛けをすると、生徒達はゾロゾロとバスに乗ってくる。乗ってくる人数を数えれば全員揃っていた。
運転手のおじさんに出発していいよ、と言おうとした時、ふと、外に目が行った。
一本の木の下で、雪を蹴っている者がいる。
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