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帰路の途中、先ほどの男の子のことを考えた。
あの男の子は人間なのか?
猫のような特徴のある耳と、去り際に見えたするりと長いしっぽのようなもの。
その姿を思うと、人ではないような気がした。
でも、どこかで会ったことがあるような気がしてならなかった。
その日、セレニアが眠れることはなかく、どうしても、考えてしまうのだ。彼のことを。
なぜ、精霊世界に連れて行かれるということを、見ず知らずのセレニアに教えたのか。
次、いつ会えるか、どこの誰かも知らぬ人とした約束。
考えていると、気が付けば朝になっていた。考え事をしていても学校はあるわけで、身支度を整える。
「学校……いやだな…」
眠気が学校へ行くことに対する面倒くささを、より一層に掻き立てる。
どうあがいても時間はくるわけで、セレニアは学校へと足を向けた。
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