転機

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「取りあえず目立っちゃうから、場所変えましょう。お腹も減ったでしょう?」 「いや、でも」 「もう子供らしくして良いのよ?」  あぁ……子供らしくね。  子供らしくってどんなかな?  知らない人、大丈夫かな。 「痛っく無い」 「さぁ行きましょう」  出来ていたはずの大きな傷はいつの間にか消えていて、その代わりに目から沢山涙が出ていた。  それは今までに体験したこと無い位に、暖かい手。 「私捕まるの?」 「私、そんな趣味は無いわよ」  その笑顔は本当に優しくて“お母さん”みたいだった。
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