始まり~琴羽編~

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「これは暫く消えないかなぁ」  腕に出来た新しい痣は、見事にバットの痕が付いている。  正式な私の父は浮気して私たちを捨てた。  腹いせに沢山の男と関係を持ち始めた母は、どんどん煌びやかになり、私の存在を嫌がり始める。  そんなで上手い男が見つかる筈もなく、毎回捨てられては当たられる。  これがもう三年になる。  最初は泣き叫んだりしていた、周りの人間も助けてくれていた。  だけど逃げるように越した先はあまり他人に興味を示さない街。  逆に加害者になり得るかもしれないことを恐れているらしい。  私は現在六歳。  どうも頭は大人のようで。  その辺も母は気に食わない。 「いっそのこと、殺してくれるなり捨ててくれたら良いのに」 「怖いこと言う女の子だね」
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