桃園の誓い

3/3
前へ
/14ページ
次へ
「我ら三人っ!」 「姓は違えども、姉妹の契りを結びしからは!」 「心を同じくして助け合い、みんなで力無き人々を救うのだ!」 俺はこれを眺めているだけでいいのか?違うだろう。俺はこいつらと一緒に戦うんだ。 「同年、同月、同日に生まれることは得ずとも!」 そう思うと、俺は自然に口は動いていた。 「同年、同月、同日に死せんことを!!」 俺が俺の剣"龍皇"を三人と共に天に突き上げ、叫んだ。 それを見ると、三人は微笑んだ。 「余計なことをしたか?」 「ううん!嬉しいよ!皇人さんが一緒にしてくれて!」 「お兄ちゃんも、仲間なんだから当然なのだ!」 「ふっ、むしろ最初から参加してもらいたかったぐらいだ。」 恋歌....鈴.....愛莉.....。 「あれ?ということは皇人さんも兄弟になるんですか?」 「いや、俺はあくまで仲間としての誓いをしただけだ。」 「ええー!どうしてー?」 「お前たち三姉妹のなかに割って入るなんて俺には出来ないよ。」 「そんなのいいのにー。」 ぶぅぶぅと恋歌が唸っているが、生憎さま可愛い以外の何物でもないな。 「むしろ、それでよかったが.....」 「ん?なんか言ったか愛莉?」 「な、何も言っておらんっ///」 おかしいなぁ、なんか言ったように聞こえたんだか....気のせいか。 それにしても、俺が桃園の誓いの中に入るとはな。 わいわい騒いでるあの三人を後ろから見ていると、なんてだろうか?恋歌が俺に自分が立ち上がった理由を話したときにも感じたが、違和感を感じる。 なんでだ.....。恋歌の理想は素晴らしい。そう思ったから、俺も桃園の誓いに参加したのに.....。 駄目だ。考えていても仕方がないだろ。今は進むんだ北条 皇人。 そして、俺は三人の所へ足を進めた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加