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「虎之介、今日から俺に侍ろ」
事を終え、先に制服を着た黒月は虎之介の腕輪を外しながら言った。
「嫌だ」
真っ赤な目の涙の跡をいっぱいつけた顔で、虎之介は毅然と睨み上げた。
「おまえバカ?拒否権は0だ」
「僕は、絶対に従わない」
黒月は意地の悪い笑みを浮かべ虎之介を見下ろした。
「知ってるだろ?俺達一族は、特別だって…何てったって国から守られてるんだからな」
黒月の一族…彼らは兎族でも世界規模で数の少ない“真珠兎族”。
しかも、その中でも、この国を含む僅かな国でしか確認されていない貴重な“黒真珠兎族”。
ゆえに、国から常に保護され免除されることが多く、よっぽどの犯罪でない限り完全黙認…
交尾は異性同性問わず自由で、子孫繁栄の為の交尾なら、男女ともにより多くのパートナーを見つけ盛んに繋がる事を推奨している。
よって、“黒真珠兎族のお手つき”として名誉の扱いをされ、強姦と言うものすら存在しない。
「だから…虎は俺のモノ。それに俺の“手がついた”ことは学校中に知れ渡っているだろう。また、おまえの家族にもな…」
「嘘…」
虎之介が驚き目を見開いたって、黒月の目は翡翠の光は戻らないまま淡々と腕輪を外し脱がせた制服を投げた。
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