27人が本棚に入れています
本棚に追加
「あー沙希、今日のどうだった? 俺ちゃんヤバヤバだわ」
心底怠そうに問う雄一郎。
「うん、まあまあね、講義のとき出るって言ってたのばっかだったでしょ?」
椅子に腰掛けながら女性、四ノ宮沙希(シノミヤ サキ)が答える。
「うぇ、そうだっけ?」
……。
「お待たせ、一応お前の分も買ってきたよ」
トレーに三つカップを乗せて戻ってきた新太郎が、それらを二人に手渡してから自分の椅子に戻る。
「おっサンキュ、気が利くねぇ」
「ありがと、新太郎」
新太郎が席に着くと、雄一郎は体を元に戻し先程の質問を繰り返した。
「でさ、予定どうなった?」
長めの茶髪が目にかかるのを邪魔くさそうにかきあげる雄一郎の問いは、またしても紗希によって遮られた。
「邪魔なら切りなさいよ、もう暑くなるんだから」
「嫌だね、伸ばせるのは今のうちだけっしょ」
「あのねぇ……」
最初のコメントを投稿しよう!