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映像の中では、巨大な魔物と戦う兵士の姿が映し出されている。
「これは、世界を守るために戦っている人達だよ」
僕の意識の大半は映像に向いているため、おじさんの言葉は耳に入ってこない。
兵士達は魔法での攻撃は勿論、魔導砲などの科学兵器を使って魔物に攻撃を仕掛けている。
「あ!」
僕は思わず声を上げた。
鎧を身に纏った兵士達が、魔物の一撃で薙ぎ払われたからだ。
握る拳に力が入る。
だが無情にも、兵器は破壊され、兵士達も戦闘不能に追い込まれていった。
ブチッ、と映像はここで途切れた。
先にあるであろう惨劇を見せないための配慮か。
「観ての通り、人間達の方が押され気味だ。今は踏ん張っているが、いずれは……」
どうなるのだろうか?
訊いてみたかったが、おじさんは語る気はないらしく口を固く閉ざしている。
少しの沈黙の後、
「君は確か、【悪魔】の変化魔法を使えるんだったね?」
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