38人が本棚に入れています
本棚に追加
「快人、“西田匠は学校に来ていたか”?」
「は?……いや、来てなかったけど。昨日も来てなかったし、サボりじゃねぇの?」
またしても意に介さず、「手遅れか。こりゃあヤバイぜ」とか何とか苛立たしげに呟いている。
いったいどうしたんだ?そもそも、匠と何の関係が――――
「率直に言うぞ」
心の準備をする暇もなく、
「西田匠は誘拐された可能性が高い」
それは告げられた。
それを理解するのは、秒針が一周しても足りない。
かろうじて絞り出せた一言は、
「……じょ、冗談だろ?」
否定するものだった。
「……」
及川は無情にも首を横に振る。振ってしまう。
思考が追いつかない。疑問しか湧いてこない。
何で?どうして?何のために?誰が?いったい?何故?
あり得ない、あり得ない――――ッ
最初のコメントを投稿しよう!