始まりは何時も海の上から

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晴れ 微風 暑い 今日は待ちに待った寄港日だった。 今回の港は船が集まって出来た集落で、かなり大きな邑(むら、とよむらしい)だ。 この辺りでは一番の貿易港らしく、色々な品が安く手に入った。 ペタと言う、薄っぺらいパンに肉や野菜を挟んだ食べ物が美味しかった。ここらでは良く売られてる軽食らしい。 ナイフは日用刀で事足りた。 が、このナイフ、結構珍しい作りでビックリする。 刃が石で出来ている。それも石英質の青い石。 切れ味はヘタなナイフよりよっぽど良い奴。 研がなくていいと言うのが放浪の民としてはありがたい。 靴と外套も一等級が安く手に入ったので良かった。 これから山岳地帯に向かうのに沙漠使用の靴はちょっと疲れるから、良い物があって良かった。 観光と言うよりは買い物に来るための場所という印象だったけど、かなり楽しい邑だった。 あ、煙草買い忘れたから、売店に行ってこよう…面倒だな。 売店帰りに同室の他種(ヒト)に捕まった。訛りがきつすぎて公用語の筈なのに何言ってるんだか全然解らなかった…。 今日明日は積み荷があるので此処に停泊したままなので宿をとった。 なんか、足元が海でいた一枚で浮いているかと思うと、船に乗ってるよりも気持ち悪い…
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