第1話『孤独なたぬお』

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たぬおはめったに喧嘩はしなかった。喧嘩を売られないかぎりは、自分から絶対にしなかった。 クラスでは誰とも話しをせずいつも 一匹で過ごしていた。 たぬおは昔から誤解されやすく それが一番、嫌だったため本人は あまり話しをしょうとはしなかった。 同じ村出身のポン助とは仲が良く、 お昼の間だけはいつも一緒にいた。 『なあ、たぬお…おめえは友達はできた?』 『嫌、できてない。ていうか、いらない…ポン助がいればいいよ。』 ポン助がため息をついた。 『そうか、たぬお。万が一、俺になんか起きたらどうする?』 たぬおに質問した。 たぬおは、 『もちろん、助けに行くよ。』 即答で答えた。 『1人でか?』 さらにポン助が質問してきた。 『ん…ダメか?』 たぬお、少し困った顔した。 『まあ、その時考えようか?』 ポン助はたぬおの肩をポンと叩いてトイレに出かけた。 たぬおは、一匹で考えていた。 『もし、ポン助がいなくなったら 俺はどうしたらいいのか?』 と1人事をつぶいやいている。 それをトイレから帰ってきたポン助が見ていた。 そして、たぬおの後ろから 『わ!!!』 と脅かした。 たぬおはびっくりして 『おいおい、たぬきを脅かしてどうするんだよ。』 と冷や汗が出ていた。 それを見たポン助は 『ほら、ふけよ。悪かったな、そんな事はないから安心しろ。 それに、捕まるなら俺じゃなくて お前だよ。あはは、その時は助けに行くから安心しろ。』 とたまにたぬおをいじる。 悪気ではなく昔からの事だったので たぬおも見抜いていた。 そして、お昼が過ぎ二人は別れた。 一緒に帰る約束をして教室にたぬおは帰った。 教室に戻ってもたぬおは一匹だった 同じ、たぬきがいなかったからだ。
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