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一方、家に帰った陽菜は傘を忘れ濡れて帰ったことを敬吾と由乃に怒られたのだった
そして2人のお説教が終わり部屋に戻った陽菜は父の手帳を手に取る。
(はじめて2人に怒られちゃった・・・
でも、心配してくれてるんだよね
・・・お父さん、お母さん
私、ここの養女になって良かったよ)
「・・・ん?」
パラパラと手帳をめくっていた手が止まる。
「これ・・・ARIA?
って・・・今日みた、あの・・・?」
他にも何かあるかもと再び手帳をめくる。
(ちがう・・・ちがう・・・)
部屋には手帳をめくる音だけが響く
「・・・!
太陽の、書?
どこかで聞いたこと・・・
ー・・・あ・・・」
(そうだ・・・“ARIA”も“太陽の書”も
お父さんとお母さんが最後に私に残した言葉だ・・・)
それは遡ること10年前
ある日、何者かに襲われて出血多量で病院に送られてきた両親。
7才という幼さの私は
ただただ両親にしがみつき泣き叫んだ。
「お父さんー!お母さーん!!うぁぁああん!」
「陽菜・・・陽、菜・・・」
「お父さん!陽菜、ココにいるよ!」
「あ・・・ち、の世界・・・
ア・・・リ・・・ア・・・太陽、の・・・書・・・
ゴホッう、た・・・
救って・・・ゴフッく・・・れ・・・
ごめ、な・・・陽菜・・・」
それだけ言うとお父さんはピクリとも動かなくなった。
まるで最後の力を出しきったかのように・・・
「お父さん!」
「あ、なた・・・っ」
「お母さん!お父さんが・・・!」
「ハァッ ハ・・ッ陽菜・・・?
これだ・・・けは、覚えておい・・・て・・・?
私たち、は・・・
ずっと・・・ずっと・・・
陽菜、の味方・・・よ・・・?
愛してる・・・」
お母さんはまるでお父さんの後を追うように動かなくなった。
病室には私の泣き叫ぶ声だけが響いた。
ー・・・
(そうだ・・・やっぱりお父さんはアリアって言ってた!
明日、行ってみよう・・・
ARIAに・・・!)
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