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そして朝日が夕日に変わった頃。
陽菜は教室で帰り支度をしていた。
「・・・あれ?ん?」
「? どしたん?」
陽菜の行動に友達の真央が声をかける。
「や・・・傘が行方不明になっちゃって・・・」
「え?・・・あんた傘なんか持ってきてなかったやんか」
「・・・!
あー、玄関だ・・・」
「どうするんや?
結構雨、降ってるで?」
窓の外を見ると
まるで嵐がやってきたような激しい雨が降っていた。
「あーぁ。敬吾お父さんの予報が当たっちゃった」
「陽菜・・・
もう7年になるんだから、普通に“お父さん“って呼んであげなよ・・・」
「・・・あのね、別に敬吾お父さんたちが嫌いなわけじゃないの。
ただ・・・ただね、“お父さん”って呼んだら
本当のお父さんが消えちゃいそうな気がするの・・・」
「陽菜・・・
その、ごめん・・・っ
変なこと言うて・・・」
「ううん!大丈夫だよっ?
ほら、もう帰ろ?」
「うん!」
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