2話「2つの出会い」

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「ハァッ ハァッ・・・」 (結構、濡れちゃったな・・・ どこか雨宿り出来るとこないかな・・・) 当たりをキョロキョロと見回して走っていると 前方に1件の建物が見え、陽菜はふと、足を止めた。 「ARIA・・・?」 (このお店の名前・・・どこかで・・・) どこでこの名前を聞いたのか思いだそうとしていると 背後から声をかけられた。 振り向くとそこには20代前半くらいの男性が立っていた。 「そんな所にいたら濡れちゃうよ?」 「え?あ・・・もう濡れてるから大丈夫です」 「プッ あはははは! そうかそうか!」 その人は陽菜の言葉に腹を抱えてわらいだした。 (え!?どこで笑ってんの!?) 「ご、ごめんごめん。よく友達に“お前の笑いのツボはおかしい”ってよく言われるんだ」 (そうでしょうとも) 「ま、とりあえず このままじゃ風邪ひくから僕の店においでよ」 「僕の店?」 「うん。あの服屋さんだよ」 男性が指さした先はARIAの真正面に建っているお店だった。 「でも・・・」 「いいから♪ほらっ」 「陽菜の腕をつかみ店の方に歩き出す。」 「えっちょっ・・・!」 抵抗してみても男性の力にかなうはずもない。 (ついて行ってもいいのかな・・・ でも、悪い人じゃない気がする・・・) 陽菜は店内に入る直前、外にあった看板に目をやる。 “famille” (?何て読むんだろう)
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