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「ハァッ ハァッ・・・」
(結構、濡れちゃったな・・・
どこか雨宿り出来るとこないかな・・・)
当たりをキョロキョロと見回して走っていると
前方に1件の建物が見え、陽菜はふと、足を止めた。
「ARIA・・・?」
(このお店の名前・・・どこかで・・・)
どこでこの名前を聞いたのか思いだそうとしていると
背後から声をかけられた。
振り向くとそこには20代前半くらいの男性が立っていた。
「そんな所にいたら濡れちゃうよ?」
「え?あ・・・もう濡れてるから大丈夫です」
「プッ あはははは!
そうかそうか!」
その人は陽菜の言葉に腹を抱えてわらいだした。
(え!?どこで笑ってんの!?)
「ご、ごめんごめん。よく友達に“お前の笑いのツボはおかしい”ってよく言われるんだ」
(そうでしょうとも)
「ま、とりあえず
このままじゃ風邪ひくから僕の店においでよ」
「僕の店?」
「うん。あの服屋さんだよ」
男性が指さした先はARIAの真正面に建っているお店だった。
「でも・・・」
「いいから♪ほらっ」
「陽菜の腕をつかみ店の方に歩き出す。」
「えっちょっ・・・!」
抵抗してみても男性の力にかなうはずもない。
(ついて行ってもいいのかな・・・
でも、悪い人じゃない気がする・・・)
陽菜は店内に入る直前、外にあった看板に目をやる。
“famille”
(?何て読むんだろう)
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