7月19日

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「驚きだよ、高橋…」  また変な奴が来た…と高橋は心の中でそう呟いた。 「何だよ,相川?驚いたのはむしろ俺なんだが?」  相川勉(あいかわ つとむ)は2階の廊下の壁に背中を預け、メガネを中指で直してから言った。 「君が広瀬さんと話していたことについてだよ」  彼は相川勉。成績学年トップの天才で,メガネで,キザな目立ちたがり屋だ。  一部の生徒からはうざがられてはいるが,実際は悪い奴ではない…と思う。 「広瀬?」  誰だそれは。今の女子生徒の名前なのだろうか。 「広瀬…,広瀬歩美だ。思い出したぞ!校内だけでなく,他校の男子からもなかなか人気のある女子だ」  滝口がなぜかうれしそうにしている。 「そう,そしてわがクラスの学級委員長でもある」  相川は2年1組でさっき説明した,ゲーマー岩田と同じクラスだ。 「広瀬歩美ね…」  今どき“ああいうの”がモテるみたいだ。あざといというか。まあ自分には興味の無いことだし関係もないことだが。 「あっ,相川くんホームルーム始まるよ」  下での用を済ませたらしく,その広瀬歩美が階段を元気よく駆け上がって来た。 「分かっているとも広瀬。じゃあな高橋に滝口」
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