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確か昔、勇者が綺麗で好きな形だと言っていた指輪だった。
「そう、僕も好きだった」
哀しそうに姫様は目を伏せる。
「だから僕は恨むし呪うし赦さない。次、僕を召喚してみろ。この世界を滅ぼしてやる。僕を騙したお前は全てを見届けてから殺してやる。僕はこの世界を赦さない」
渡された指輪を投げ捨てようとして、やめた。そして僕は光の粒子となって消えた。
「……ごめんなさい」
勇者の怨嗟を其の身で受け止めた姫様は泣き崩れた。
「ごめんなさい」
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