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「お前に何が分かるんだ!!」
僅かに瞳を潤ませ、再び大鎌を構える少年。しかし、その手は震えてしまっていた。
「パニッシュメントに年齢は関係ない。ただ、パニッシュメントは常に覚悟しなければならない」
妙に迫力のある笑みを浮かべたまま、隼人が冷たい口調で言い放つ。
「『裁く覚悟』と、『裁かれる覚悟』。お前には、そのどちらもが足りないよ」
「何を……!」
悔しそうに隼人を睨み、必死に両手の震えを抑えようと力む翔を、隼人は容赦なく見下している。
「でも……そんなのお前が決めたパニッシュメントのあり方だろう!」
「ハハッ! その通りだよ!!」
「……!」
翔の構える大鎌を恐れもせず、隼人はゆっくりと彼に近付いていく。
「だが、それに気付いていながら何で君は俺の命を奪わない? 香奈に刃を向けた時の殺気はどこへ行った!」
「ぼ……くは……」
「ガタガタと無様に震えやがって……。今のお前に、他人を断罪する資格は無い!」
翔は力無くその場に肩を落とし、涙を流して俯く。
地面に落ちた大鎌が、赤い光を失って黒ずんでいった。
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