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大学から帰ろうとして
階段を下っていたら、
「あの!」
っ言う声が後から聞えたが、
自分の他にも人なんていーっぱい居るわけで、
気にせず歩いていた。
「くるくるパーマの!」
「汗臭いミニタオル!」
え?
いちおう振り返ってるみる。
「臭かった?」
「ううん、臭くなかった。気付いてくれないんだもん。」
そーいや、
お互い名前知らなかったな。
近づいてきたフェロモンから差し出された、
「あ、タオルありがとう。」
タオルを受け取りながら、
「ああ、うん。わざわざありがとう。」
人通りが少なくなってきた。
「今日看板あるの?」
「え?」
「ほら、格好が」
フェロモンは顔を下に向け自分の格好を見て
「ああ」
って言って顔を上げた。
「ちょっと友だちとやったんだー。だから。」
「そうなんだ。」
スキニーとTシャツでも
なんかオーラあるな。
さすがフェロモン。
「変?」
「いや、可愛いと思うよ」
「え、あ、」
わたわた顔を紅くするフェロモン。
「よくいわれるでしょ?」
踊り場の壁に寄り掛かりながら言う。
「いや、けど、なんか違うじゃん」
きょろきょろしながら落ち着きがないフェロモン。
「ふーん。」
「からかってるの?」
「え?あ、」
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