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「いいわよ。別に。そのかわり、今度は死なないでね」
【眞柴 想一】
「そうだな。今度は、俺も銃を撃ちたいからね」
眞柴君が背中に背負ったままのアサルトライフルに触れる。
彼はこれに手を触れる間もなく脱落した。
ほんの一瞬の出来事で。
何の前触れもなく、
気を抜いている間の出来事で。
これが、本当の戦争だったら……“今度”は無い。
【眞柴 想一】
「ところで、三琴」
眞柴君があたしの横顔を覗き込むように話しかける。
「なによ?」
振り向いたあたしは、息がかかるほど近い場所に男の子の顔がある事に、一瞬だけどドキっとする。
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