木漏れ日の下で

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【眞柴 想一】 「おまえって、けっこう、耳毛長いんだなっ……ぐはっ!!」 「!!!」 最後まで言わせることもなく、あたしの肘打ちが眞柴君のお腹にめり込む。 プロテクター越しに、何かが潰れる感触が伝わってきた。 【眞柴 想一】 「ぐおおお……っ、おまえ、本気で……っ」 「痛かった? 痛かったでしょ? 本気で殴ったもの。ええ、本気よ本気」 ゲホゲホと咳き込みながら、倒れ込む眞柴君……もとい、変態バカ野郎。 女の子に『耳毛が長い』なんて、どういう事を言うのかしら。コイツは。 「ありがたく思いなさい。あたしは心が寛容だから、ちゃんとセーフティまで送って、あげるわ……よっ!!」 屈んだままの眞柴君の首根っこを引っつかむと、勢いを付けて引きずり倒す。 真柴君は グェッ と、カエルが潰されたような声を上げるが、あたしはそれを無視して、そのまま反動をつけて走り出し、彼を力いっぱい引きずる。
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