26人が本棚に入れています
本棚に追加
/224ページ
あたしの悲痛な叫び声は、フルオートで放たれる銃声でかき消える。
あたしは全身から血の気が引くのを感じた。
銃声や赤い血の色に驚いた訳じゃない。
あたしが気配を感じていた場所とは別の場所から聞こえた銃声。
敵の居場所が予想していた場所じゃなかった。
あたしは間違った場所に注意を向けていたのだ。
不注意な位置から撃たれたら、反撃の隙もない。
今、目の前で倒れようとしている眞柴君のように、何もする間もなく終わってしまう。
もし、注意を怠ったまま不用意に姿を見せていたら……
撃たれていたのはあたしだったかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!