木漏れ日の下で

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「まったく……あたしが負傷兵を運ぶ事になるなんて……」 あたしは眞柴君を抱え上げて肩をかすと、二人三脚の要領で木々の間を足早に引き返す。 別に本当に怪我をしているわけでもないのだから、こんな怪我人を運ぶ演技なんて必要ないとも思う。 だけど被弾で発動したウェビング・プリテンションが負傷度に応じて動きを制限してくるので、こうでもしなければ眞柴君は走れない。それに負傷兵を運ぶのも戦闘訓練の一つだ。運ぶ側も運ばれる側も。 聞いた噂によると、高等部の訓練では撃たれた負傷兵の役は、制限どころか手足を縛られて本当に動けなくされた状態にされるとか…… ……それはちょっと嫌かも…… 【眞柴 想一】 「……いやは、面目ない。まさか、あんな目の前に敵が居たなんて……」
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