表舞台(Ⅰ)

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 アルバラを建国した初代女帝アンナは、トライオンとルシャトリアがアルカディナの覇権を懸けて激しい戦いを繰り広げている時代に、トライオンの辺境の地アルバラを治めるエンプレスズ家の末娘として生まれた。  歴史にアンナの名前が初めて現れたのは彼女が十五歳の時。アルバラの領主であった祖父の死をきっかけに起こった内乱を、信頼できる少数の部下と共に鎮圧したのが彼女の初陣であった。  その後、正式にアルバラの領主の座を受け継いだアンナは自軍を率いてルシャトリアの軍勢と幾度となく戦うことになるが、アンナが率いる軍は常にルシャトリアを相手に勝利を収め、いつしか彼女は「英雄」と呼ばれるようになる。
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