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「あー美味しかった!」
「とほほ...。くそー次回は勝つぞー。」
「高谷くんごちそうさまでした♪」
「いえいえ。次回は森谷にご馳走してもらうから。」
「ぷっ!高谷くんったら。
いいよ。ご馳走しますよ。」
「えっ...まじー!?やりー!!」
じゃれあうふたりを祐二が黙って見ていた。
「おぅ、そろそろ帰ろうぜ。
祐二、方向が同じだから森谷さん送ってけ。俺は、宮里と方向近いから送ってく。」
「..!..あっ...あぁ。わかった。」
家の帰り道、私は早瀬くんと並んで歩いていた。
元から話し上手ではない私はただ黙っていた。
「.....。」
「あっ...そうだ !」
なにやら早瀬くんが、鞄をがさごそ探しだした。
「はいっ!これ、この前のタオルのお返し。洗ってかえすのもなんだから...。」
「えっ...。」
早瀬くんが、私に...。
袋をあけると、新品の可愛いタオルが入っていた..。
「これ、私に?」
「ごめん。気にいらなかったら雑巾にでもして。」
(早瀬くんが、私に)
私は早瀬くんの柔らかな心遣いが
嬉しくて、心が温かくなった。
また..キュンが降り積もった。
「ううん。可愛くて気にいったよ❗ありがとう。大切に使うよ。」
私は満面の笑顔を彼にむけた。
「つっ....!」
早瀬くんはしばらく呆然と私を見つめて照れたように顔を赤くして、そらした。
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