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ドキドキが止まらなくて、顔が赤くなるのが恥ずかしくてあわてて私は早瀬君に言った。
「早瀬君もがんばってね。そういえば二人はレギュラーなの?まだ一年なのに!!」
「おう!俺ら一年からは3人レギュラーに入ってる。あともう一人は5組の清水。知ってる?」
「うーーん。あー!!清水 真君だね。中学が同じだった!!彼も上手なの!!?知らなかった。」
私が嬉しそうな顔をして早瀬君をみると、早瀬君は一瞬不機嫌な顔をした。
(えっ・・・!!?)
でも、すぐに笑顔になると試合相手の話をしだした。
予鈴がなると早瀬君は「じゃぁ。」と言って教室に帰った。
(なんだろう。私なにか言ってしまったかな・・・?でも、笑顔になったし見間違いかな。)
腑に落ちないまま英語の授業が始まった。
今日の体育は来週に控えたクラスマッチに備えての練習試合だった。
体育館に行くと、また女の子たちの集団がいて早瀬君を囲んでいた。
「相変わらず早瀬くんはモテモテだねぇ。高谷ー。早瀬君って昔からあんな感じにモテモテなの?」
真季が高谷君に話しかけた。
(それ!私も聞きたい!!)そんな顔で高谷君を見ると、真季が私にウインクした。(真季ったらわざときいたのねー。
でもサンキュー?)
「小学6年くらいかなー。中学なんてすごかったぜ!学年一番美女までも告白してたしなぁ。
でも、あいつずっと断ってたんだよな。あいつ小5の時に試合で知り合った女の子に一目ぼれして、
それひきずってたのかなぁ。今はどうか知らないけど。」
ズキンッ!!
(好きな子がいるの!!?しかもそんな前からずっと!!?今も?)
知りたいようで知りたくない気持ちで一杯だった。
真季が試合が始まり、私は体育館の隅に座って試合をみたふりをしつつボーとしていた。
コツン!
不意に頭をかるくたたかれた。
見上げると早瀬君が優しい笑顔で立っていた。
「なにボーっとしてるの?」
「あっ・・・・ちっ・・違うの!!やだ・・私ったら。」
「後で、宮里さんに怒られるよ!そういえばさっき高谷と何話してたの?なんかまた俺のよからぬこと
あいつ言ってなかった?」
「あ・・・・早瀬君の一目ぼれの話をしてたよ。」
「えっ・・・・・。まじ?あ・・・い・・つー・・・・!!!」
早瀬君は顔が真っ赤になってあわてて試合に出ている高谷君をにらんだ。
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