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ドヤドヤ~~~。
カツカツカツ~~~
風を気持ち良く感じていた空気がスパイクのカツカツとなる音と男の子たちの声に消された。
「うわっ~!サッカー部も休憩みたい。」
「あっちーーー。」
男子たちはおもむろに水道の蛇口を開けると、ザーッと頭から水をかけた。
「あれっー、宮里じゃん。バスケも休憩?」
真季に声をかけたのは、同クラの 高谷 修(たかや しゅう)
真季の隣の席なので、最近みょーに気があってる二人。
ちなみに真季の後が私。
「お疲れ~高谷。暑くてやってらんないよね~。」
「まだ体育館はましだぜ。もう日差しがバテバテだよ。」
ふたりがそんな会話をしているのをボーとみていた私は何気に正面の蛇口に目をむけた。
「くぅー。」
正面の男の子が頭から水を浴びて顔をあげたとき、勢いあまったのか濡れた髪から水が私に飛んできた。
「キャッ!冷たい!」
そのとき初めて正面の男の子と目が合った。
「ご、ごめん😖水が大量にかかった?」
慌てて焦るその男の子があまりにも一生懸命で、呆然とびしゃびしゃになったのも忘れてしまってた私は我にかえって思わず------、
「ぷっ。あははは。大丈夫よ。気にしないで。」
そう言ってタオルでふいた。
彼はしばらく呆然と固まっていたのを、はっと気がつきタオルを探した仕草をした。
「はいっ。」
私は自分のタオルを差し出した。
「えっ......。」
また、彼は呆然とかたまった。
「あっ...ごっ..ごめんなさい。人の使ったのなんて嫌よね。今顔洗ってふいただけでつい。あまりにあなたがびしょ濡れだから。」
タオルをひっこめようとした私はふいに腕を掴まれた。
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