─Prologue─

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夜が明ける。 空は高く、どこまでも蒼く、 雲は遠く、流々と靡き、 大地は広く、力強く鼓動を刻み、 風は歌う、生命の歌を。 空気は澄み、静けさに満ち、 微かな冷気が、夜の気配の残りを含む。 生命の薫りが、朝の訪れを匂わせる。 空に残る白月が、静寂の終わりを告げる。 昇りゆく日輪が、命の始まりを告げる。 命は廻る。 この星とともに、止まること無き時の中を。 命は吠える。 生まれ、死に、巡りめく魂を。 世界は、生きている。
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