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やがてカメラはそのおねーさんの全身を映したところで止まり、画面の下に「木下ヴィエラ」と安っぽい明朝体の文字で表示が出た。
おそらく、この色っぽい女優さんの名前なのだろう。
「にぃちゃん、ヴィエラってなんだかヘンな名前だね…」
「そんなことはない。変わった名前はこの手の女優さんにはよくある。確か、他にもいっぱいいるぞ?」
「ふーん、たとえば?」
「…あのー、あれだ、…なんとかクリステルとか」
「あー!それ、ボクもなんか聞いたことあるある!」
だが、弟からの質問攻めはこれにとどまらなかった。
続いて画面に表示されたのは、
“B:88 W:59 H85”
「…ねぇ、にぃちゃん。この数字、なに?」
「ん?これは…だな、まぁ、この女優さんのパラメータみたいなもんだな」
「パラメータ!?
へぇ、ゲームのキャラみたいでカッコイイね!で、“B”っていうのはなんのパラメータなの?」
「Bはな、“防御力”だ」
「防御力!?
じゃあ、このおねーさんの防御力は88なんだね?それって強いの?弱いの?」
「うむ、なかなかに強い。俺の防御力がまだ50前後だからな」
「!?…このおねーさん、にぃちゃんより防御力高いんだ!すっげー!!」
「ちなみにHは“速さ”、Wは“運の良さ”を表す。運の良さにはやや欠けるが、なかなか均整の取れたパラメータと言えるな。この分なら次のボス戦も問題あるまい」
俺はそう答えて弟をあしらう。
Wが“運の良さ”というのにはやや自信がなかったが、まぁ、当たらずも遠からずといったところだろう。
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