第1章

2/21
330人が本棚に入れています
本棚に追加
/112ページ
照りつけるような真夏の日差しの下、白いヘルメットを被り、水色のシャツに濃紺のズボンを着た青年が、口に銜えた笛を大きく吹き鳴らしながら、手に持った赤い旗を振り上げる。  身長は175センチ前後、黒髪で、さしたる特徴もない平均的な顔立ちの20歳半ばくらいの青年が振り上げた旗の前に、白色のスクーターが停車する。 停車したスクーターの運転手、体格のいい中年の女性に青年は歩み寄り、笑顔を見せながら 「一時停止違反です。2点の違反点数と5千円の反則金になります」 爽やかな笑みを浮かべ、冷酷な宣告をした。
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!