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(……くそ、目も霞むし、指先の感覚がなくなってきやがった。こりゃ俺死ぬなぁ)
母親に手錠をかけた安心からか、一気に力が抜けた柊斗は、そのままアスファルトに倒れ込む。
「柊斗さんっ!! 今救急車を呼びますから、死なないでください」
綾香は泣きながら、柊斗の傍らに座り込み、携帯電話を取り出し、119番をダイヤルする。
「……お、れなら、大丈夫だ、からさ、もう泣くな。 そ、れより、応援が、くるまで弘樹と、は、はおやをしっか、り確保しとくように」
そう小さく綾香に語りかけたところ、柊斗の意識は闇に落ちた。
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