プロローグ

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昔むかし これは、何千年も前の物語り 世界は暗く 厚く 切れ間のない雲に覆われていた 地は裂け 溶岩が流れ出し 海は腐り 水は毒となった この死に果てた世界を創り出したのはたった一人の男だった 男は強く 賢しく そして とても深い欲を持っていた 男は名を捨て 身を偽り 友を手にかけ 家族を殺め 愛する者ですら殺してみせた そして 一つの魔法を生み出した その魔法は 星を侵し 活力を奪い 衰えさせていった そして世界は暗い雲に覆われ荒れていった 地に這う虫ですら糧をなくし 同族を喰らう世界 そんな世界が半世紀も続いていった 世界の人口は4割ほどにまで減り 人々は食料を奪い合い 餓え 殺し合い さらに数を減らしていった そんな中一つの希望が生まれた 混沌の世界を創り出した男に勝るとも劣らない 大きな力を持った者が現れた その者は戦士となり争いを止め 勇者として信仰を集め 男を倒すべく旅へと出た 幾多の死線を乗り越え 数多くの仲間と出会い 勇者達はついに男のもとにたどり着いた 勇者達は真に強かった だがそれでも男は強かった 傷つき 疲労し 耐え難いほど苦しい闘いを繰り広げた そして死闘の末勇者達は男を追い詰めた が 男は既に星と同化してしまっていた 男を倒せば星も死んでしまう 勇者の決断は早かった 『自らを鎖 自らが最も信頼を置いた使い魔を鍵として封印する』 仲間達の反対を押しきり 一人 使い魔とともに男を封印した 男が封印され雲は晴れ 光が射し込み 命が吹き替えした 世界が息を吹き替えす中勇者の仲間達は口々に言った 『彼こそが真の英雄だ』と そして仲間達のてにより英雄として勇者の武勇は世界中に語り継がれそして知らない者などいないほどの神話となった・・・・・・・
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