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その後、教師の小野坂が入って来て、帰宅するように促した。
中庭には人が集まっていた。数人の警官の姿も見えた。
家に帰る途中、圭が「おいおい」と呟いて一軒の店先で目を輝かせていた。トランペットを欲しがる子供のようだ。勿論、ここの近くにトランペットを置いている店なんてない、圭が目を輝かせて見ていた店は蕎麦屋である。創業二百年と老舗で、度々テレビにも紹介される。名物はにしん蕎麦で、それを食べる為だけに、遠路遥々から来る人が多いのだという。
「どうした?蕎麦が食べたいのか」
「あっ、いや蕎麦は別にいいんだけど、ミク見てみぃ」
圭は店の中を指指した、一人の女性を指している。
遠めからでもわかる綺麗な顔立ちと、白い肌に長い手足、身長は俺よりも高いだろう。
「モデルか?」
「わからん、だけど綺麗だよなぁ。ああいう人って大抵リア充なんだろうけど」
またそんな事を言うのか、だからお前は一生非リア充なのだ。
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