討論1【どうせ書くなら楽しもう】

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「あっ……でも部長」 「何よ、スリーサイズ?」 「聞いてませんよ! いや……自分が楽しみながら書くことの大切さは分かりましたが、もしそれで読者から酷評しか貰えなかった場合は……?」 「頑張りなさい」 「…………」 「…………」 「えっ!? それだけ!?」 「他に何があるの?」 「自分が楽しく書くことが最優先じゃないんですか!?」 「『楽しく書け』とは言ったわ、でも『雑に書け』なんて私は一言も言ってないわよ?」 「そりゃそうですけど……」 「自分が楽しく且つ精一杯作品に取り組んで、その結果が酷評だけだったとしたら、それは書き手の実力不足、努力不足よ。 所詮は『三流』ってことね。 もっと精進しろってだけの話」 「えー…………じゃあ俺は?」 「三流」 「でしょうねー! 分かってましたとも!」 「昨日も言ったけどね、世の中に『三流』なんてゴミみたいに溢れ返ってるのよ? 『二流』を馬鹿にするなら、まず『二流』になる努力をしなさい。 ワンステップで上達したいなんて甘い考えは捨てる!」 「……すんません」 「『二流』になる第一歩は、まず小説に慣れ親しむこと。 これは基本中の基本、これだけは絶対に忘れちゃダメよ?」 「わ、分かりました」 「じゃあ今日は私は帰るわ。 明日までに短編を一つ書いて私に見せに来てね」 「は!? 一日で!?」 「当たり前でしょう? あ、あと後片付けよろしくー」 「この暴君部長ぉぉぉぉっ!!」
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