とある高校の文学部

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「さて、何をしようかしら」 「それを決めるのが部長でしょ」 「めんどくさいわね……」 「もう部長なんか辞めてしまえ」 「第一、三年生が引退するまで誰一人として気付かなかったけど、残った部員が私と山田君だけってことが問題あると思うの」 「廃部寸前じゃないですか!」 「まぁ、そんな些細な問題はまた今度考えましょう」 「些細な問題か……?」 「山田君は何かしたいことある? アダルトはノーサンキューでね」 「当たり前でしょう! うーん……まぁ文学部なんだし、小説を書いたらいいかと」 「嫌よ、そんな気分じゃないわ」 「それでも文学部の部長か!?」 「文学部は小説を書かなきゃいけない、なんて校則は無かったわ」 「そういう問題じゃなくて……俺未だに部長が小説を書いてる姿を見たこと無いんですけど」 「だって書いてないもの」 「スランプに陥りませんか?」 「陥らないわ、絶対」 「言い切りましたね……それ根拠とかあるんですか?」 「『二流』だから」 「…………ハァ?」
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