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「…………成る程ね、オッケー」
「読み終わるの早っ!?」
「3ページ目で止めたわ」
「いや酷すぎるでしょ!
最後まで読んでくださいよ!」
「嫌よ、つまらないもの」
「あー! あーあー!
またアンタそんなこと言って!
面白いか面白くないかなんて全部読まなきゃ分からないだろ!」
「じゃあ山田君に質問するけど」
「何ですか!?」
「山田君は自分の小説を『楽しみながら書いてたの』?」
「…………え?」
「もっとズバリと聞くわ。
この小説を書いてる期間、苦痛で仕方無かったんじゃないの?」
「…………確かに、悩みまくって寝不足になったりとか……」
「でしょうね、この文章を見たらそれがよく解るわ」
「どうして解るんですか?」
「描写が回りくどいのよ。
一行で簡潔に書ける文章なのに、わざわざ難しい言葉を並べ立てて無理矢理膨らませてる。
背伸びしてる感が丸出しよ。
おかげで繋ぎはグッチャグチャ、何を言いたいのかサッパリ。
読んでて疲れる小説の典型ね」
「っ……でも、小説家の人達は皆そうして言葉を捻りに捻り上げて名作を生んだんじゃ……!」
「それはプロの技でしょう?
素人の力量でプロの真似事なんかしたって、そんなもの贋作にすら成りきれない駄作よ」
「うっ……!」
「言ったでしょう?
『二流』には『二流』の楽しみ方ってものがあるの。
完璧な文章なんてものは『一流』の連中に任せときなさい」
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