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「じゃあどうすれば……」
「それを説明する前に、山田君にまたまた質問するわ」
「本当に『またまた』ですね……何ですか?」
「山田君は小説を書く時、どんなことを考えながら書いてる?」
「どんなこと……ですか?
そりゃあ、描写と台詞は7:3か8:2にするとか、漢字間違いに気を付けるとか、他にも……」
「ダウトよ」
「何が!?」
「何でそんな些細なことばっかり考えて小説を書いてるのよ?
そんな暇があるならキャラクターでも作り込みなさい」
「いやいや、それはおかしい!
描写や漢字間違いに注意するのが『些細なこと』ですか!?」
「本っっ当に些細なことよ。
くどいようだけど、ただの素人が全くミスも解れも無い完璧な文章を書くなんて無理だし、そもそも必要も義務も無いわ。
それは『一流』がする作業よ」
「…………でも、ミスや間違いは無い方がいいですよね」
「それは勿論そうよ。
でも自分の文章の粗なんか探して『楽しい』って思える?」
「…………思えませんね」
「私達『二流』や『三流』はね、お金を貰って小説を書いてるわけじゃないのよ。
あくまで趣味として、娯楽として小説を書いてるの。
趣味で自分苦しめてどうするの」
「あっ……!」
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