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「おはよう、亜衣(あい)」 お父さんが目をこすりながらイスに座った。6時ちょうど。「おはよう」 朝食は毎日一緒に食べる。 あったかい食卓。 これ…私達の現実。 「お父さん」 「ん?」 「寒くなってきたから風邪ひかないようにね。マフラーとかしてったほうがいいよ」「う…ん…」 お父さんは私の顔を見る。 「亜衣」 「ん?」 私は手を休める。 「たまには食事作るよ。毎日5時に起きてお弁当も作って夕飯も作ってるんだから」 「ありがとう。でも、お父さん私のために働いてくれてるし。疲れてるのはおなじだよ。大丈夫。おいしいごはん作って待ってるから。…ごちそうさま」 私は立ち上がった。 「亜衣…」 「早くしないと遅刻しちゃうよ」 私が時計を指さして言うとお父さんは慌てて立ち上がった。 「あっ…雨降るってよ。傘、持って行ってね」 「おぉ」 私達はそれぞれの部屋へ駆けこんだ。
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