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家に帰り、止まらない震えで何もできない俺の身体を兄さんは綺麗に洗ってくれた。
何をしてても最中の痛みと恐怖が蘇ってくる。
両親が心配していたけど、兄さんが「川に落ちただけ」だと誤魔化した。
「やだ・・・やだッ・・・痛いよ・・・っ僕・・・」
「大丈夫。もう怖い事はないから落ち着いて・・・」
「僕、もうダメだよ・・・もう汚れちゃってるんだ・・・・。男なのに、男の人にあんなことされて・・・あ、あぁあ・・・汚いよ・・・僕、ぼく・・・・あ、ぁあ、ああぁあっ・・・!!」
洗っても洗ってもしばらくあの気持ち悪い感覚は消えなかった。
思い出すたびに震えが止まらなくて、何度も吐いた。
「キモチワルイ・・・汚い・・・僕は・・・」
身体の傷は癒えても心の傷は癒えることはなく、狂ったように風呂で全身を洗い続けた。
毎日兄さんが止めに来るまでずっと。
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