59人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな生活がしばらく続いたけど、半年もすれば俺は徐々に吹っ切れていった。
どうせ一度汚れたなら何回汚れても同じこと。何も怖くないじゃないか。
そうして見つけた遊び。金も手に入るし、それなりに自分も気持ち良くなれる最高のゲーム。
ルールは簡単。
出会い系サイトでイイ感じのホモオヤジを見つけて釣るだけ。テキトーにヤッてやれば相手も満足。俺も暇潰しが出来て家でわざわざ抜く手間も省ける。しかも小遣いまで手に入る。つまり一石二鳥。
さっきから言ってる『お客様』ってのは、そのオヤジ共のことってわけ。
待ち合わせ近くのトイレで鏡を見ながら髪を直す。
今日の『お客様』は黒髪ロングがお好みらしい。カバンからウィッグを取り出して付ける。
「・・・ふむ」
鏡に映った自分の顔を眺めてみる。
まぁ、自分で言うのもアレだけど、俺も兄も、もちろん両親もそれなりのルックスだと思う。
昔からモテない訳じゃないし。
つっても、この童顔と女顔のせいで襲われたんだけど。
―こういう遊びをするには都合のいい顔だよな。結局そんなに身長伸びなかったし。おっさんてショタコンロリコン多いし。
ため息をつきながらも待ち合わせ場所に向かう。
少し離れた所に携帯を片手に周りを気にする男性を発見。
今日の相手はあいつか。
最初のコメントを投稿しよう!