記憶▼

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    ☆ 「っ・・・・!!」 目が覚め、見上げた天井はいつもの自室のもので、それが夢だと安心する。 「夢・・・・」 ―嫌な夢。もう2年も前の事なのに・・・。 頭に残る嫌なビジョンを払うように軽く頭を振ってベッドを下りる。 そして、そのまま部屋を出て階段を下りた。 「あ、恵。おはよう」 「・・・はよ、兄さん」 兄の薫がエプロン姿で朝食を用意していた。 トーストの焼ける匂いに空腹感が増すようだった。 「今日は休みなのに随分起きるの早いね?」 「あぁ、ちょっと用事が、ね」 「友達と待ち合わせかい?」 「ん・・・まぁ、そんなとこ」 先に出されていたサラダに手をつけながら曖昧に答えておいた。 実際は違うんだけど。 シャワーのついでに歯磨き、洗顔を済ませて部屋に戻る。 「はぁーぁ。」 着る服を選びながらため息をつく。 朝からあんな夢を見るなんて最悪の目覚めだ。 ―もう、平気だと思ってたのに。 髪を整え、全身が映る鏡の前でくるりと回ってみる。 「ん、まぁこんなもんかな」 着ている服は女物。 チェックのミニスカートにYシャツ、ネクタイ、ベージュのカーディガン…。 要は制服もどき。 ・
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