田中少年とお面かぶった変な少女

第一話 ｢ハジマリはお面からっ！｣

入学式が終わって間もなく、ホームルームが始まった。

担任教師は野球部の顧問らしく、教室に登場してからずっと野球の話をしている。

野球なんて興味無いんだが。

担任が野球談義に花を咲かせても、まだ俺の席の後ろは空席のままだった。

担任もネタが尽きてきたのだろう、『自己紹介してもらおうかなっ！！』と言い出した。

全くそんな事考えてなかった。
まあ、適当な事言って愛想笑いでも浮かべとけば良いだろう。

俺の席は真ん中のほうだし、回ってくる間に考えてもいい。

こうして自己紹介は順調に回っていった。

そろそろ俺の番か。

田中｢田中といいます。一年間よろしくお願いしまーす。｣

まわりからパラパラと拍手が起こる。
なんかハズい。