第一話 「ハジマリはお面からっ!」

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谷沢の後ろのやつが自己紹介を始めてようやく場の空気が元に戻った。 が、俺は今は机に突っ伏している谷沢の顔が忘れられなかった。 谷沢がお面を取った時、一番近くで顔を見た俺には、 泣きはらした後みたいに見えた。 頬にはうっすらと涙の跡が見えたし、目はちょっと赤かった。 気のせいかもしれないが。 クラス全員の自己紹介が終わり、担任は 担任「じゃあ今日は早く帰れよー。谷沢は後で職員室に来い。」 と言い捨て、教室を去った。 谷沢には聞こえてるのだろうか。 田中「おい、後で職員室に来いだってさ。」 谷沢「………うっさい。」 せっかく教えてやってるのに、失礼な奴だ。
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