2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「谷村先生!お、おはようございますっ!!!!」
「あぁ...」
(よし、まずは挨拶...今日はあいさつできた!)
薫は谷村と少しでも仲良くなれるように、積極的にコミュニケーションをとろうとしていた。
ある日の、国語の授業が終わったあと
「あ、先生...ちょっと国語で分からないところがあるので 、放課後教えてもらってもいいですか?」
薫は勇気をだして谷村に言った。
(さすがにこれはやりすぎかな...?)
谷村は一瞬考えるようにうつむいた、そして
「ん?あぁ...わかった」
ダメかと思っていた薫は、思わず笑顔になった。
(うそっ!?やった!よくがんばったあたし!!)
「ありがとうございます!!」
「あぁ、別に。じゃ放課後、」
「はい、お願いします!!」
そして放課後、薫は約束通り国語科教室へ。30分間みっちり古典の勉強を教えてもらった。
「つまり結論的には、この話は清少納言の自慢話なんだ。ちなみに言うと、清少納言は積極的で外交的な女性で、紫式部は控えめで内向的な性格だった。正反対のタイプの2人が同じ時代に生きて、2人とも詩で名を馳せたんだよ。本当にすごいよ!」
「へぇ~すごいですねっ」
(こうやって2人で教えてもらうと、谷村先生ってほんとに国語好きなんだなぁ...)
ちょうど中間テストも近かったので、薫はほぼ毎日谷村に国語科教室で補講をしてもらった。
.
最初のコメントを投稿しよう!