2:縮むキョリ...薫の告白

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「谷村先生!お、おはようございますっ!!!!」 「あぁ...」 (よし、まずは挨拶...今日はあいさつできた!) 薫は谷村と少しでも仲良くなれるように、積極的にコミュニケーションをとろうとしていた。 ある日の、国語の授業が終わったあと 「あ、先生...ちょっと国語で分からないところがあるので 、放課後教えてもらってもいいですか?」 薫は勇気をだして谷村に言った。 (さすがにこれはやりすぎかな...?) 谷村は一瞬考えるようにうつむいた、そして 「ん?あぁ...わかった」 ダメかと思っていた薫は、思わず笑顔になった。 (うそっ!?やった!よくがんばったあたし!!) 「ありがとうございます!!」 「あぁ、別に。じゃ放課後、」 「はい、お願いします!!」 そして放課後、薫は約束通り国語科教室へ。30分間みっちり古典の勉強を教えてもらった。 「つまり結論的には、この話は清少納言の自慢話なんだ。ちなみに言うと、清少納言は積極的で外交的な女性で、紫式部は控えめで内向的な性格だった。正反対のタイプの2人が同じ時代に生きて、2人とも詩で名を馳せたんだよ。本当にすごいよ!」 「へぇ~すごいですねっ」 (こうやって2人で教えてもらうと、谷村先生ってほんとに国語好きなんだなぁ...) ちょうど中間テストも近かったので、薫はほぼ毎日谷村に国語科教室で補講をしてもらった。 .
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