第3幕 変装名人?

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  「ケド・・・」 「良いんだよ。それにこの人の量だ。宿の主人も一部屋でも空いてた方が、他の客を入れられんだろ?」 身分を気にしないばかりか、自分よりも先ず他人。 この諸星兄弟の人柄が幸村からの、そして城内や城下の人々からの信頼に繋がって居るのだろう。 「はぁ・・・諸星兄殿、もう少しご自分の立場と云うか、身分をだな・・・」 「うっせ!身分なんか知らねぇよ。俺らの大きな括りはどっちもあの人の家臣なんだ、何処にも違いなんてねぇよ」 「・・・・・・」 「それとも何か?お前は俺と一緒は嫌なのか?六郎」 困った顔〈実際はバンダナ(手拭い)で目が見えないため、表情が分かりにくいので恐らくだが〉で告げる六郎に、海はニヤリと意地悪な笑みを浮かべながらそう答える。 「序でに、俺を呼ぶなら『海』だ」 結局、名前の呼び方も含め六郎が折れたのだった。 ◆
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