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「あっそ・・・まぁ、ちゃんと取り替えるなら別にいいか」
「・・・・・・」
「さて、腹減ったし、俺は先に上がるぞ?お前も早く出ろな?」
「・・・分かった」
そう云って先に出た海。
彼の後ろ姿が見えなくなると、六郎は1人ポツリと呟いた。
「俺は・・・『他人』に自分の両目を見られたくない・・・否、見せたくないんだ・・・」
そう云って頭の手拭いを外した六郎の両の瞳・・・
「俺は、生れ付き赤い瞳〈鬼の目〉を持つ、突然変異〈化け物〉なんだよ・・・」
手拭いを取って露になった彼のソレは、とても綺麗で澄んだ赤色をしていた。
着替えを終え、脱衣場から出た六郎は、目の前に現れた人物にビクリと身体を震わせる。海だ。
「お?頭の奴も変えたんだな?」
「え?あ、嗚呼」
「うっし。じゃ、飯食いにいくぞ?」
そうして、六郎は未だ頭が混乱したまま引き摺られるようにして海に連行されていった。
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