序章 始まりの流星

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俺はただ飲み水を探し荒れ果てた東京の街を歩いていた。 身なりはボロボロのマントを羽織り、頭までマントを被せている。 俺の名は星河 空〈ホシカワ ソラ〉 ごく普通の15歳の青年だ。 「喉乾いた、腹減った・・・・。はぁ・・・」 どこを探しても水や食料があるわけがない。 荒れ果てた教会、巨大な穴が空いてもなお直立し続ける高層ビル群。 舗装されていない道路は亀裂が入り、段差がある部分もある。 そして俺はさらに絶望的な状況に立たされた。 「グルルルルル・・・」 「なぁッ!?」 俺の目の前には一匹の化物が姿を現した。 白い鬼面のような頭部で団扇のような尻尾。 二足直立の化け物。 この化物こそがこの世界を破壊しつくした起源種。 人はこの化物を荒らす神・・・・・通称『荒神<アラガミ>』と呼ぶ。 「うわぁァァァァ!!」 俺は絶叫しながら走った。 荒神は唸り声を上げ、追いかけてきた。 あっという間に距離は詰められて、荒神は俺に体当たりを繰り出してきた。 「うわっ!!」 前方に勢い良く押し出され、コンクリートの壁に激突する。 「いってててて。」 鼻を押さえ、前を見ると荒神が嘲笑うように俺を見下していた。
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