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「まぁ、どーでもいいか。お前にとっちゃな。でもさ、その手放せよ。」
「……。」
お願いだからよ。もうこれ以上変に自分を追い込むなよ。
自分を悪人っぽくするのもやめろよ。
咲瑠!目ぇ覚ませ!
昔の咲瑠はどこいったんだよ!!
………。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
…ってな感じで今に至るんだが…。
久々だな…コイツと言い合いっつーか喧嘩するのは…
でもさ、この喧嘩はただの喧嘩ぢゃない。
俺はどーなってもいいけど、咲瑠にはちゃんと正しい道を行ってほしい。
じゃないと、暦兄ちゃんも、叔父さんも叔母さんも…
暦兄ちゃんにも叔父さんにも叔母さんにも勿論、咲瑠にも嫌な思いはさせたくねー。
…と思った矢先
───ヒュッ
咲瑠の拳が飛んでくる。
クッ…やっぱきたか。
咲瑠の拳を片手で受け止めるとそこからいつものように腹に膝蹴り!……じゃなく今回は、受け止めたまま、周りの5人に回し蹴りを喰らわす。
腰抜け5人は勿論すぐ逃げていこうとしたために、
「…ここの場所のこととここでの会話は忘れろ。誰にも言うんじゃねーぞ?言ったら……わかってんだろーなー?」
ボソッと5人の耳元で囁いた。
5人は声にならない悲鳴をあげて逃げていった。
はぁ…
「…おい…。いつまで掴んでんだ。」
「あ~…咲瑠…いたんだったな。ハハッ忘れてた」
「半殺しにしてやろーか?」
「い、いや…。遠慮するわ。」
どうにか平然を保つ。
コイツに喧嘩勝てねーし喧嘩しても伝わらない。なら、感情は押さえ込んでいた方が身のためだ。
でもさ、なんだかんだ言っても、どんな事があっても、コイツって根は優しいんだよな。
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