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話に寄れば、『この空間』に入り、気が狂ったものが何人もいたという。
また、『この空間』から出て、廃人になった者も数え切れない。
ーーそう言い聞かされていた。
眼前に広がるは、常世の闇ーー
なんだ、こんなもんか。
裕史は眠るように、意識を手放した。
ーーシャン
鈴の音に裕史の虚ろな意識が反応した。
明音(あかね)が舞っているのだうか。裕史は耳を澄ませて、音の続きを待つ。
『うぬは、何だ?』
常世の闇に確かに声が響いた。
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