三日月

２

「先に屋上行ってて下さい」

「了解」

最近、私達は昼休みを屋上で過ごす

まだ５月なのに、外は異常気象で２５℃という温度な事もあり、熱で地面や飛び降り防止用の柵が異常なくらい暑い

その為、誰もいない

意外と穴場だったりする

その穴場である屋上に絶対日の光が当たらない更なる穴場がある

そこで私達はお弁当を食べる訳だけど

「お前は…」

先客がいた

私は１年だから上級生ならここを見つけられるのは確かだろうけれど、今日までは誰も来なかった

どういう事だろう？

「１年の佐伯ゆみ。君は？」

「同じく１年の津川だ。さっき穴場を見つけた、って思ったんだが…お前らは知ってたのか？」

「お前『ら』？」

「入学式当日から仲良いコンビで有名だぞ？少なくとも１ーＢではな」

「へ？」

「同じクラスだからな俺は」

「………なんかすみません」

いたっけ、こんな人

あかりちゃん以外を目に入れていなかったのかもしれない

自己紹介があれば覚えていた、かも